極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 そういえば……魔帝国では度々歴史の端々で悪い悪魔が現れ、国に大きな被害を及ぼした――なんて話を誰かさんから聞いたっけ。その正体が……これなのか?
 彼とシーリの母親はかなり強い魔女だったと聞くし……。

 ラエルの瞳の色が従来の黒から紫に代わり、耳や歯が尖り切った瞬間――黒い影となって動く。

「ヒィィッ!」

 血飛沫と悲鳴が同時に上がった。
 さすがだな。その刃が、先程の衝突では微塵も傷のつかなかった大蛇の鱗を、浅く切り裂いている。

「ふう……。母から受け継ぎし強大な魔力で身体を変質させたのだ。あまり長くは保たんが、その蛇皮、叩いてなめすくらいは……やってのける!」
「舐めた口を!」
「弱男風情に後れを取るなよ!」

 怒り狂う巨蛇とラエルが互角以上の立ち回りを見せ始め……今度は孔雀の意識がそちらに向いたのを僕は見逃さない。
 密かに背面に回ると、片方の翼を鋭く切りつけた。
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