極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 まるで当たり前のように真顔で告げるラエルの足元で、大蛇がトルテの姿に戻る。
 笑えばいいのか感心すればいいのか……ともかく、見た目ほど大した怪我はしていないようでなにより。

「さすがだよ、魔帝国軍団長殿」
「ちっ……お前が負けて俺が両方倒せば、格の違いにシーリを諦めさせられるところだったんだが」
「お前ね……」

 この状況であくまで妹の心配を欠かさない兄に僕ががくりと肩を降ろすと、ラエルは……「俺より弱い男にあの子が渡せるか」とでも言うように、ふんと鼻を鳴らした。

 ともかく、これでシーリを追える。
 急ごう……そう頷き合った瞬間。

 ゴゴゴッ――……巨大な振動が月映宮を襲う。

「うっ……⁉ い、一体何が!」
「戦いが佳境に入ったか。ゆくぞ」
「ああ!」
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