極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「ルイーゼ様、ここからは、自分の身は自分で守れます」
「うん……。あの子を倒すため力を合わせましょう」
「準備はできたかい? ならば、さらに強くいくよ……!」

 余興と割り切ったか楽し気に魔法を放つメナ。今度はデカいやつが来る――。
 ばら撒かれたページは次々に集合し、混ざり合って生まれた一頭の巨大な黒いヤギが、禍々しい産声を上げた。

「ヴオォォォォォ――!」
(来た……!)

 天井に付くほど長い捻じれ角が突き出され、たわめられた体躯が、宮殿を破壊しかねない勢いでこちらへと迫る――。

「真正面からは止めきれない!」
「……私に任せて!」

 ルイーゼ様が奇跡を発動する前に、今度は私がと前に出る。
 闇の魔力を籠めた右手の目標は地面……。足場にできた空間に半身を呑み込まれた黒ヤギの突進力は削げ、やつは苛立ちを叫ぶ。
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