極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 私は身体の痛みを忘れ、周りを見やる。ルイーゼ様の姿がない。まさか……。

「彼女は退場したよ。まあ、この高さから地面に落ちれば無事ではすむまい」

 かつて、唯一の肉親を託そうとした人のはずだったのに。
 あまりにも冷酷な態度を見過ごせず、私はメナをキッと睨んだ。

「こんなの……ここまでする必要があったの⁉」
「確かに、ルイーゼは私にとっても家族に近い存在だったさ。けれど……彼女は兄を愛していながら、私の試みに従おうとはしなかった。彼女は人としての正しさを選び、兄を救う道を捨てた。兄を想う気持ちが、私よりも弱かったんだ」
「違う……! ルイーゼ様は、残されたあなたを救おうとしたのよ! それこそが、お兄さんが望んだことだからじゃないの!」
「違わないよ」

 ダメだ……私なんかじゃ。
 ここに、ルイーゼ様がいてくれたら、彼女に想いの丈をぶつけてくれただろう。でも、彼女はもういない……。

 本当の家族もいない、恋すらしたことのない、平和な世界で生きて来ただけの未熟な自分じゃ……メナの心を、動かすことはできない。
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