極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 店主はそれだけ言うとさっさと土いじりに戻っていく。過度に干渉しないこの距離感が、今の僕には心地よい。

 花束と鉢植えを手に店から出ると、明るい日差しが頭の上に差した。

「ふう……そういえば今日はいい天気だな」

 気配を消すように路地の端を進みつつ、笑顔で過ごす人々の姿を覗き見る。

 この国は今日も豊かで平和だ。
 時に小さな諍いはあれど、大勢の人々を脅かすような事件はついぞ起きていない。この幸せを、僕らの努力でどれだけ維持していいけるのか……。

「わぁっ!」
「おっと、気を付けて……」

 目の前を駆けていた少年が転び、僕は抱き留める。

「ありがと、おねーちゃん!」
「いや、僕は……」
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