極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 ダメだ……。
 こんなにも大きな負荷を欠けられた状態で、防御と攻撃を同時にこなそうとすれば、絶対に失敗する。 

 じりじりと円周が狭まり、ぎゅっと身を合わせないと立っていることもままならなくなってきた。額に滲む汗が、視界を邪魔する。

「いちかばちか……ラエル、お前は悪魔化して彼女たちをそのでかい図体で包み、この虚無を突破しろ! 今から全力で、僕がここに穴を開ける!」
「……できるのか?」
「やらなきゃいけないだろ……どうなっても!」

 そんなことをしたら、アルベール様だけ取り残されてしまう!
 それを覚悟で彼は頷き、聖力をシェルウッド製の剣の先端に込め始めた。
 彼の身体に満ちる力が、全て、切っ先の一点に集められ、見ていられないほど強く輝く。

 自らを、犠牲にする覚悟で――。

「……やめて!」
「いいや……決めたんだ。君のためだけに生きるって――」
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