極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「メナの補助には私が。必ずふたりで役目は全うします――ここにいないロバートのためにも」
「ルイーゼ……感謝する」
「ならば……任せよう。後は……どれだけの力をあの月へと送り込めるかじゃが」

 それ以上魔女帝はなにも言わず、方針をこちらに委ねたようだ。
 アルベール様と私は顔を見合わせ……考え込む。

「どうするかな。今から聖王国に援軍を要請しても、ここに辿り着くまでには時間がかかりすぎるだろうし……」
「ですね……」

 数百年に渡り、代々魔帝国が溜め込んできた力を、上回る力を放つには……このメンバーの余力だけでは、全然足りない。
 そこで……大きくて分厚い手が、私たちの肩を叩く。

「ふたりとも……ここがどこだか忘れていないだろうな? 長年聖王国と覇を競い合ってきた、大陸第二の強国だぞ。少し待っていろ……」

 ラエル兄さんは魔女帝に頷きかけると、なぜか私たちに耳を塞ぐよう指示して、月映宮の端に立った。その眼下には、深紫の覆いに囲われた、大帝国の都が広がっている――。
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