極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 でも私は、気持ちよくその場を立ち去っていこうとした室長を呼び止める。
 さっきの話はちょっと感動したけど、それとこれとは話が別。
 
「ちょっと待ってください。脱水症状から助けた分……しっかりお花の水やり手伝ってもらいますよ!」
「ええっ⁉ 私は頭脳労働専門なんだが⁉」
「口答えしないっ!」

 重たい荷車だって、一生懸命押していれば、少しずつでも動き出す。
 手伝ってくれる人が居るのなら、なおさら。
 渋々握りに手を掛けた室長とゆっくりと荷車を押し出した時……向かいから誰かが駆けて来た。

『室長~! 国境線の方から連絡が……! どうやら戦争が取りやめになったみたいで、皆無事で帰ってくるらしいですよ!』
「「なんだって(なんですって)⁉」」

 法研勤めの聖女が明るい報せを持って来てくれ、私たちの間に一気に笑顔が広がる。

 さあ、進もう。

 雨の日の後には……いつか晴れ間が差すもの。しっかりと足元は固まった。
 前よりもずっとしっかりと、今、私の足は大地を踏めている――。  
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