極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
『――お久しぶりね、シーリちゃん。元気だったかしら?』
『あ、え~と……はい。ルシエさん、その節は本当にお世話に……』

 突然現れた有名人の親戚を前にしたような気分で、ぺこぺこと頭を下げる私。だがすぐにそんな場合ではないことに気付く。

 彼女とは、本来もう二度と会えないはず。
 だのにこうして私の夢の中に出て来てくれたからには、何か、伝えるに値する重大な事柄を抱えている可能性が高い。

 一瞬で冷水に打たれたような気分になり、私は真顔に戻った。

『もしかして、世界のこと……ですか?』
『察しがいい。本当はゆっくりお茶しながら、最近のあなたの武勇伝を根掘り葉掘り聞き出したいところなんだけど……。こうしているだけ、世界の寿命を擦り減らせてしまうから……単刀直入に言います』

 彼女はほっぺに手を当てて深く息を吐くと、そのフランクな態度を切り替え、私にこう告げた。

『この世界の期限は、今から三年後……一の月。そこに到達すれば、保持するための外殻は破れ……私が作ったこの小さな世界は荒波に沈む船のように、虚無の海へと呑み込まれてしまうことでしょう』
『……三年』
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