極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「降参です。勝手についてくればいいでしょう。はぁ~、気ままな一人旅の予定だったのに……」
「無理に決まってるだろ。そんなことを聞いたらきっとポピア君とかラエルとか地の果てまで追って来るぞ。さあ、見つからない内に……こっちに馬車を止めてあるから」
「…………そこまで好かれてはないと思うんですけど。でも、本当にいいんですか? 大して楽しいこともないと思いますよ?」

 げんなりしつつ私は歩き出すアルベール様の隣に並んだ。
 ルシエさんからは、様々な地域を旅して空気を感じ、この世界をしっかりと自分の感覚で把握すること――それしか言われていない。つまり、目的のない観光旅行に近いかな。

「そんなことないさ。君と一緒に居て、退屈だったことなかったしね」

 私はドキッとした。綺麗な歯を見せた彼の笑顔が、あまりにも美しかったせいだ。

 ちゃっかりふたり用の、小型だが質のいいキャリッジがちょっと離れたところで止められていて。その中に私を乗せて、彼は御者台へ……。そこには色々長旅用の荷物も積まれているようで。

「はあ、完全に私の負けです。お見それいたしました」
「お褒めに預かり光栄だ。じゃ、出発しようか」
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