極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 お互い感慨深く当時のことを思い遣りながら、食事は進む。

 ところで現在――私とアルベール様はこの家で同居中だ。
 同棲と言ってもいいのかもしれない。
 
 彼は当時の宣言通り王国騎士を辞し、街の自警団で若者たちに剣を教えたりしながら、側で仕事を手伝ってくれている。そして私も今では聖女会を退き、一般人としてこの街で悠々自適の生活を満喫させてもらうことになった。この……以前よりずっと大きく広がった世界の片隅で。

 実は……聖王国を旅立ったあの時からすでにもう、六年もの歳月が経過していた――。



 ――馬車に乗り、ルシエさんが作り上げたあの世界で旅に出た私たちは、大陸にある国家を順繰りに巡っていった。そこには、それぞれ様々な暮らしがあって。

 誰もが幸せそうに生きる国がある一方……聖王国より貧しい国、争いが絶えない国も。思うより気楽な旅にはならなかったけれど、でも大変なことばかりじゃなかった。
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