極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 ただ、そうした旅の最中――。

 アルベール様が、どうしてこんな私に着いてきてくれたのか。
 それを私にはっきりと認識させた時の出来事は、今でも色濃く印象に残っていて……。



 あれは旅の中ほど。聖都を出発して、丁度一年が経った頃のことだったかな。
 御者台で隣り合い、馬の扱いを教わっていた私に、彼は尋ねる。

「……あのさ。シーリ。君はこれまでに人を好きになったことは?」

 後になって考えると……彼がわざわざこんな回りくどい質問をしたのも、こちらの余りの鈍さに痺れを切らしたせいじゃないのかと思う。

 なにせ私の普段の行動から特定の相手なんていないのは分かり切ったことだったろうし。とはいえ、私も相当ズレた答えで返してしまったし、思い出すと恥ずかしくて人のことは言えないんだけれど。
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