極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 そして私がいくら鈍感だろうと……こんなところまで着いてきてくれてこういう質問をされたら、どういうことなのかくらいは否が応にもわかる。証拠に彼は手綱を膝の上に置いたまま……息を殺し、痛いくらい瞳に力を込めてこちらの言葉を待っていたから。

 でも……それが真実ならなおさらと――私ははっきりと首を振って応えた。
 心の中でごめんなさい、と謝って。

「私はきっと、誰かを特別な人として見れない……そういう人間です。私を大切にしてくれる人は、皆均等に報いたいし……そこに優劣はつけたくない。誰かと恋に落ち、結ばれたりするということは生涯ないんじゃないかな――今、そう思いました」

 それが、計三十年以上の時を、ふたつの身体で過ごしてきた私の結論。
 理由は分からない。幼少期に親から愛情を受けられなかったことが関係しているのか……。それとも向こうで――人を愛さなくても生きていける――そういう時代に生まれたからなのか。

 ちょっとだけ寂しくはあるけど、それが不幸だなんて思わない。むしろ、この上なく贅沢なことだ。私が人を愛せなくても、こうして気持ちを寄せてくれる人がいるなんて……どれだけ嬉しくて申し訳ないことか。そこまで分からないほどバカじゃない。
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