極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 だからこそ、もうこんな辛いことを続けさせてはダメだと思った。
 同じ想いを返せないと分かっていて、彼をこれ以上私の我がままに付き合わせてはならない。心は痛いし、引き止めたい気持ちもあるけど……嘘を吐いてまで彼をこのまま連れて行くことは、できない。

 次の街に行ったら別れよう。そういう気持ちで私は――。

「私、今回のことが終わったら、聖女会を辞めてどこかでゆっくり暮らします。アルベール様は……?」

 どうしますか――そう聞こうとして、私は彼のどこまでも純粋な視線に呑まれた。

「何も分かってないんだな」
「――っ」

 後ろに引きかけた私の手首が捕まれ……ぐっと、彼の腕の中に身体が引き込まれる。

 惰性で動いていた馬車が木陰で止まり、制御を失った馬が足を止めて嘶く。
 それまでの間――私は身じろぎもできず、ただ間近にある彼の顔を見上げていて。 
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