極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う

 そうして――旅立ってから二年半で私たちは聖都へと帰りついた。
 多くの人に歓迎とお叱りの言葉を受けながら、改めてこの世界を元の場所へ帰すための計画を練る。

 ルシエさんから教わった話だと、私たちの住む世界のイメージは虚無の海に浮かぶ気泡のようなもの。それが無限の空間に大小いくつも存在し、それぞれ独自の世界を形作っていると予想されるのだとか。

 そして……彼女が前回流星群の被害を受けた元の世界から脱出し、その海へと漕ぎ出すために行った工程はふたつ。それを逆回しするように、私たちも二段階の工程を踏む必要がある。

 ――まずは第一段階。
 この世界を、虚無の海へと送るために――私たちが次元の穴と呼称するそれを開く。

 これは、虚無の在処を利用して行うことになる。とはいえ、前回のように受信器である黒い月を使って力を集中させる地点は、世界を包む殻の内側ではなく……なんと外側。

 現在こちらの世界は、前回通ってきた通り道――トンネルと薄い虚無の膜で隔たれた状態にある。そこを通過するために魔女帝に頼んでいたのが、虚無の在処の改造だった。
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