極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「ランシルエルト……。それが、かつて生きとし生けるものを生み出してくれたこの世界を讃え、人々が付けた名前だったの。私はそれを忘れまいと……この世界書を司る、奇跡の力を継ぎし者たちの国を、そう名付けた」
ざばぁん――と、地震のような揺らぎと共に、遠くで高波の音が上がった。
どうやら、無事洋上へと降りられたらしい。私たちは周りの人々と身体を支えながら、老女の身体が輪郭だけを残して朧げになる様を見守る。
消えゆく彼女が、最後に優しく私たちに笑いかける。
「心配しなくてもいいわ。この大地は、私がいなくなっても消えたりはしない。元は私が作った紛い物でも、今は違うもの。永き時の間、多くの人の願いが大地へと染み込むことで、土の一粒一粒からゆっくりと本物へと変わっていった。そして周りでも……この大陸のずっと彼方で、まだ見ぬ世界があなたたちを待っている」
不安げに辺りを見回していた私たちをそう諭すと……。
彼女は、笑みをまるで少女のように無邪気なものに変えて。
「この日のことを忘れないで。何百年も互いに支え合い、消滅の危機を乗り越えてこの場所に辿り着いたあなたたちなら、きっとこの先どんなことがあっても、希望を見失わずにいられる。諦めず、たくさんの仲間と手を取り合うことで起こせた、この奇跡を……どうか、いつまでも次の世代に伝えていって」
ざばぁん――と、地震のような揺らぎと共に、遠くで高波の音が上がった。
どうやら、無事洋上へと降りられたらしい。私たちは周りの人々と身体を支えながら、老女の身体が輪郭だけを残して朧げになる様を見守る。
消えゆく彼女が、最後に優しく私たちに笑いかける。
「心配しなくてもいいわ。この大地は、私がいなくなっても消えたりはしない。元は私が作った紛い物でも、今は違うもの。永き時の間、多くの人の願いが大地へと染み込むことで、土の一粒一粒からゆっくりと本物へと変わっていった。そして周りでも……この大陸のずっと彼方で、まだ見ぬ世界があなたたちを待っている」
不安げに辺りを見回していた私たちをそう諭すと……。
彼女は、笑みをまるで少女のように無邪気なものに変えて。
「この日のことを忘れないで。何百年も互いに支え合い、消滅の危機を乗り越えてこの場所に辿り着いたあなたたちなら、きっとこの先どんなことがあっても、希望を見失わずにいられる。諦めず、たくさんの仲間と手を取り合うことで起こせた、この奇跡を……どうか、いつまでも次の世代に伝えていって」