極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う

9・奇跡の発露

 大聖堂に設置されたホールにて実践訓練が始まった時も、私たちの周囲にはぽっかりと空間が空き、妙な緊張感が漂っていた。

 本日の教官役はミシェル班長が務めるようで、彼女も異様な雰囲気を感じ取ったようだが、あえて何も言わず訓練を始めていく。

「――皆さん、各自純心滴(ピュアドロップ)は服用しましたね。では瞑想を開始します。それぞれ楽な姿勢で床に座り、目を閉じて体の内側に意識を集中させなさい」

 この訓練では、内に宿る聖力の高め方や奇跡の覚醒法を教官役から教わり、聖女としての能力の発展に臨む。しかし、あちこちから刺々しい視線を感じて、どうも気分がささくれ立つ。

「なによ、私たちなにもしてないのにさ……」
「ポピア。黙って訓練に集中するよ」

 アンジェリカから吹き込まれた噂の誤解を解きたいところだけど、この場では無理だ。私たちは渋々ミシェル班長の指示に従うと目を閉じた。

 すると彼女の落ち着いた声は、目蓋を閉ざした私たちの意識によく沁み込んだ。指示通りお祈りの姿勢で床に落ち着くと、呼吸を深くし心を落ち着けてゆく。
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