男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。
冬「白石冬真。会計。……よろしく」
淡いグレーの瞳が、じっと見つめてくる。
けれど視線は鋭いというより、温度のない優しさに近い。
冬「……困ったことあったら、言って」
『……はい』
白石先輩はそれ以上何も言わず、少しだけ頷いた。
続いて隼人がその場で腕を組んだまま口を開く。
威圧感が強く、私は反射的に背筋を伸ばした。
隼「黒瀬隼人。庶務」
それだけ言って、黒瀬先輩は上から下まで見てきた。
隼「……ルールは守れ。変なことしたら許さねぇ」
『……分かりました。黒瀬先輩』
真面目に返すと、黒瀬先輩は鼻で笑った。