男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

白石先輩も静かに手を止めて、私をじっと見つめてくる。

冬「無理なら仕方ないけど……」


黒瀬先輩は腕を組んだまま一歩前に出る。

隼「……何かあんのか?急に食べないって」


九条先輩が奥の席から静かに立ち上がって、私を見つめてくる。

宗「……拒否する理由は?」


小さく息を吸い、絞り出すように言った。

『……お腹が、空いていなくて……』

本当は嘘。

でも、本当のことを話すわけにはいかない。


皆は少し驚いた表情で互いに目を合わせている。


なんでかは分からない。

けど、混乱している。

――それだけは確かだった。


朝霧先輩が手を差し伸べる。

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