スパダリ救急医はシンデレラと双子ベビーに深愛を注ぐ
 ブラウンの外壁のシックな建物。セレブ病院なんて呼ばれているだけあって、内装も高級ホテルさながらの落ち着きがあった。
 そんな柚木記念病院の救急センターは、都内でも屈指の設備とスタッフを誇る。広く清潔感なセンター内には医師や看護師がキビキビと行き交い、場の空気は緊張と集中でピンと張りつめていた。

「救急センターの者です。状況をお聞かせ願えますか?」

 光莉のもとにやってきたのは女性の看護師。その後ろで控えている医師も……彼ではなかった。光莉は「ほぅ」と息を吐くと、冷静さを取り戻して彼らに向き直る。
 必要な説明を終えると、看護師が光莉にぺこりと頭をさげた。

「ご家族でもないのにここまで付き添ってくださってありがとうございました」
「いえ、お世話になっているお隣さんですし、私も看護師をしているので」
「あぁ、やっぱり。受け答えが慣れた感じなので、そうじゃないかと実は思ってました」

 同業者の仲間意識だろう。彼女の口調が気安いものに変わる。光莉も先ほどよりは親しみを込めた笑顔で応じた。

「彼女を、どうぞよろしくお願いします」
「はい。命に別状はなさそうですし、先ほど息子さんと連絡がついたのでご安心ください」
「よかった。それじゃあ、私たちはこれで」

 看護師にあいさつをして、光莉は北斗と南斗の手を引いた。
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