スパダリ救急医はシンデレラと双子ベビーに深愛を注ぐ
 いやに曖昧な返事になったのは、双子に突っ込まれるのを恐れたからだ。もうすぐ四歳、そろそろ結婚の概念を学んでいてもおかしくない。

「旦那さんと連絡はついてる? もう遅いし、迎えに来てもらったほうがいい」
「うん。そうするね」

 この話題を早く切りあげたくて、やけに早口になる。無意識のうちに光莉の手は耳たぶに触れていた。耳たぶを撫でるのは、子どもの頃からの癖だ。
 奏真の視線がそこに移る。彼は不審そうに眉根を寄せ、低い声を出す。

「光莉、もしかして」

 そのとき、パフェに夢中だった双子たちが急に声をあげた。

「だんなさんってな~に?」
「知らない!」

 クスッと優しく笑って、奏真がふたりに解説する。

「ふたりのパパのこと。一緒に帰ったらいんじゃないかな~と思ったんだ」

 北斗と南斗が揃ってキョトンとした顔になる。ふたりは顔を見合わせて、小首をかしげた。

「パパ、どっかにいるの?」
「とおくにいるんだよ」

(――あぁ)

 サァと光莉の顔が青くなる。

「待って、ふたりともっ」

 口止めしようとしたが、遅かった。

「光莉、嘘はつかなくていい」

 色々と察した様子の奏真に、静かな声でたしなめられてしまった。

「ふたりを責めないであげて。その、耳たぶを触る癖でなにか嘘をついてるなって気づいてたから」
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