スパダリ救急医はシンデレラと双子ベビーに深愛を注ぐ
 指摘され、光莉はバッと耳元にあった手を膝の上に置き直す。ふっと弱ったように笑って、彼は続けた。

「昔はただのかわいい癖だと思ってたけど、光莉が去ったあとでようやく気づいたよ」

 奏真の瞳が鋭くなる。

「それは、君がなにか隠しているときに出る癖だ」

 彼は優しいだけの男じゃない、これ以上嘘を重ねても、きっと見抜かれる。

「子どもの父親とは事情があって結婚しなかったの。だからうちは三人家族」

 嘘はついていない、けれど、すべてを打ち明けるわけにもいかない。

(今の柚木くんの人生を邪魔しちゃいけない)

 奏真は驚き、目をみはったが、詮索はしてこなかった。

「俺がなにか力になれることは?」
「住む場所なら心配しないで。きちんと火災保険に入っているし、今夜はどこかのホテルを取れば済むから」

 そう、不運ではあったけれど不幸ではない。子どもたちに怪我がなかったのだから、それだけで十分だ。

「もし甘えていいのなら、ホテルを探す間、ふたりの相手をしていてくれないかな?」

 お喋り上手になってきたふたりに付き合いながらでは、スマホからホテルの予約をするのもひと苦労だ。奏真が一緒にいるこの間に、今夜の宿だけは確保しておきたい。

「いいよ」の答えを期待していたが、奏真の返事は想定外だった。

「うちにおいで」
「――え?」
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