スパダリ救急医はシンデレラと双子ベビーに深愛を注ぐ
奏真はサクッと話をまとめてしまった。
(本当に変わらないな、柚木くんは)
あれこれ考えすぎてしまうタイプの光莉を、いつもさりげなくリードしてくれた。決して強引ではなく、光莉がなにを望んでいるのかを瞬時に察してくれて……彼以上のベストパートナーはいない。そう確信できる、自慢の恋人だった。
奏真が暮らす部屋は、彼の勤務先である柚木記念病院からもそう遠くない港区高輪エリアにある低層のラグジュアリーマンション。周辺は閑静なお屋敷街で、公園など緑も多い。
(引っ越し、してなかったのね)
彼がドアを開け、なかへ入るよう促す。
「どうぞ」
玄関から続く真っ白でピカピカの廊下、飾り棚に並ぶサボテンたち。上品なホワイトムスクのルームフレグランス。
(あぁ、柚木くんの部屋だ)
付き合っていた頃の記憶がありありと蘇る。当時も彼はこの家で暮らしていて、光莉も数回お邪魔させてもらった。ホワイトムスクのフレグランスは光莉が一緒に選んだものだし、この玄関で彼とキスをしたこともあった。
当たり前だけど、五年前と今は途切れることなく続いているのだ。この部屋のあちこちに、まだ自分の気配が沈んでいるように思えた。甘くて苦い、複雑な感情が胸に込みあげる。
だけど「懐かしい」などと口にできる立場ではないので光莉は黙った。奏真のほうも、双子に気を遣ってか過去を匂わせる発言はしない。
(本当に変わらないな、柚木くんは)
あれこれ考えすぎてしまうタイプの光莉を、いつもさりげなくリードしてくれた。決して強引ではなく、光莉がなにを望んでいるのかを瞬時に察してくれて……彼以上のベストパートナーはいない。そう確信できる、自慢の恋人だった。
奏真が暮らす部屋は、彼の勤務先である柚木記念病院からもそう遠くない港区高輪エリアにある低層のラグジュアリーマンション。周辺は閑静なお屋敷街で、公園など緑も多い。
(引っ越し、してなかったのね)
彼がドアを開け、なかへ入るよう促す。
「どうぞ」
玄関から続く真っ白でピカピカの廊下、飾り棚に並ぶサボテンたち。上品なホワイトムスクのルームフレグランス。
(あぁ、柚木くんの部屋だ)
付き合っていた頃の記憶がありありと蘇る。当時も彼はこの家で暮らしていて、光莉も数回お邪魔させてもらった。ホワイトムスクのフレグランスは光莉が一緒に選んだものだし、この玄関で彼とキスをしたこともあった。
当たり前だけど、五年前と今は途切れることなく続いているのだ。この部屋のあちこちに、まだ自分の気配が沈んでいるように思えた。甘くて苦い、複雑な感情が胸に込みあげる。
だけど「懐かしい」などと口にできる立場ではないので光莉は黙った。奏真のほうも、双子に気を遣ってか過去を匂わせる発言はしない。