スパダリ救急医はシンデレラと双子ベビーに深愛を注ぐ
「自分の家だと思って、好きに過ごしていいからね」

 奏真に背中を押され、双子はリビングのほうへ歩き出す。

「うわぁ、広いっ」
「きれ~ねぇ」

 北海道で世話になっていた政宗の家は、古い日本家屋。燃えてしまったアパートも築年数がそれなりに経過していた。現代的でオシャレな高級マンションは、ふたりの目には新鮮に映るのだろう。大はしゃぎで視線をキョロキョロと動かしている。

「ごめんね。子どもたちが騒がしくて」
「全然、賑やかで楽しいよ。食料品は冷蔵庫、衣類はゲストルームに運んでおくから」

 ここに来る前に駅ビルに寄って、子どもたちの着替えなど絶対に必要なものは買い出ししてきた。嫌な顔ひとつせず、北斗と南斗の世話を焼いてくれる奏真の背を光莉はじっと見つめた。
 夕食は先ほどのホテルで簡単に済ませたので、バスルームを借りて子どもたちとお風呂に入った。その間に奏真はゲストルームを準備してくれていた。

「おぉ~。おっきなベッド!」
「ほくと、ジャンプはダメなんだよぉ」

 奏真に貸してもらった高級なシャンプーの匂いを漂わせながら、北斗と南斗がパタパタと部屋に入っていく。

「もう遅いからちゃんと寝るんだぞ」

 クスクスと笑いながら奏真が忠告すると、ふたりは素直に「は~い」と返事をする。決して、誰にでも人懐っこい子たちではないのだけれど……奏真の嘘のない優しさはきっと子どもにも伝わるのだろう。
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