スパダリ救急医はシンデレラと双子ベビーに深愛を注ぐ
 子どもの頃から知っていたわけではなく、大人になってから初対面を果たした母の弟なのだが、彼はまだ四十二歳。十歳しか変わらない彼を「おじさん」と呼ぶのは変な気がして「マサさん」で定着している。

「もしもし、光莉です」
『あぁ、俺だ』

 ヘビースモーカー特有の少しざらついた低い声。いつもの、気だるげな彼の表情が目に浮かぶ。三白眼でやや強面だけど、大人の余裕と渋さをまとった素敵な人で自慢の叔父だ。
 北斗と南斗がねだるので、みんなでお喋りできるようビデオ通話モードに切り替える。

『元気か?』

 小さなスマホ画面に映る政宗は光莉が想像したとおり、あまりやる気の感じられない顔をしていた。けれど、「マサ~」とはしゃぐ北斗と南斗を見つめる目はとても優しい。

(マサさん、ふたりには甘いもんね)

「うん。私もふたりも元気でやってるよ」
「マサ、ほくとねっ」
「あぁ。ぼくが先だよぅ」

 双子は競うようにして政宗に話しかけている。ふたりにとって父親代わりといっても過言ではない人なので、久しぶりにお喋りできるのが嬉しくて仕方ないのだろう。
 ここに引っ越してくる以前、自分たちは函館の彼の家で世話になっていた。双子がこうしてスクスクと育っているのは彼のおかげで、感謝してもしきれない。

「――うん。職場の人もみんな親切だし、いい病院を紹介してくれて本当にありがとう」
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