虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
 ――運動着はオーダーメイドで、一から作り上げるらしい。

 それが出来上がるまで外で走り回るのを禁じられたエクリーユは、再び寝室に籠もりきりになった。

「姫様……。気分転換に、外へ出られたらいかがでしょうか」

「いいえ。暫くは、遠慮しておくわ」

「ですが……」

 ――怖かったのだ。

 また兄たちと鉢合わせるのが。
 聞いてはいけない単語を耳にして、陛下に迷惑をかけるのが――。

 だから少女は、大人しくしていることにした。
 すっかり第2王女の部屋と化している国王の寝室には、信頼のおける人間しか顔を出さない安全な場所だとわかっていたから……。

「テラマは、陛下と長いの……?」

「お側で見守っていた時間は、それほど長くはありませんが……。姫様を大切に想っていることは、よく存じております」

「そう……」

 暇を持て余した少女は口元を綻ばせ、乳母にある提案をした。
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