虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「よければ、彼の話を聞かせてもらえないかしら?」

「私が、ですか?」

「ええ。気分転換には、ちょうどいいと思って。駄目?」

「いえ……。私からお話できることは、それほど多くはありませんが……。姫様がお望みになるのでしたら、喜んで」

 そうして、テラマは語り出す。
 彼女から見た、陛下の印象を……。

「陛下は民のことを第一に考える、とてもお優しい方です。そのため、この国は難民の駆け込み寺と呼ばれるようになりました……」

「居場所を失った、民たちの楽園……」

「そうですね。王城の外へ出れば、アティール王国の民もいます」

「そう……」

 自国の悪評は、王城に籠もりきりだった第2王女の元にも届いている。

『私利私欲のために、国民に苦ばかりを押しつける王』

 父は国民たちに信頼されるどこか、嫌悪されるような王だった。

(きっと、安寧を求めてこの国に移住してきた人々は……私のことを、恨んでいるでしょうね……)

 顔を合わせたら、何をされるかなどわかったものではない。
 不安でいっぱいになったエクリーユの表情が強張ったのを目にしたテラマは、少女を安心させるように優しく微笑んだ。
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