虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「陛下はずっと、姫様を心配しておられました。その気持ちに、嘘偽りはないかと……」

 テラマが第2王女に嘘をついたことは、一度もない。
 少女はその言葉を疑いもせず、素直に受け入れた。

「そう、ね。話してくれて、ありがとう」

「いえ! 姫様のお役に立てて、光栄です」

「喉が渇いたわ……。お茶を、用意してくださる?」

「もちろんです! 少々お待ちください」

 1人になりたいと直接口にしなくとも、付き合いの長い乳母なら察してくれる。
 それが何よりもありがたいと感じながら、エクリーユは寝台に四肢を投げ出した。

(頭が、パンクしそうだわ……)

 テラマから見たリドディエのことを知りたいと欲を出し、返り討ちにあった気分だ。
 第2王女の知る第5王子は、いつだって優しくて太陽みたいな人だったから――。

 この手紙を、もっと早くに手にしていれば――エクリーユは藁にも縋る思いで、リドディエの元へ嫁いだだろう。
 しかし、大好きだった兄にそれを握り潰された結果、少女の苦しみは深まった。

(兄様は、どうしてこんなことを……?)

 どれほど1人で考えを巡らせたところで、その答えは出てない。
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