虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「目障りな、白百合ね……」
花壇の中で美しく咲き誇る白百合は、嫌でも妹の姿を想起させてしまう。
(もしもあの場所に、黒百合の花が咲き乱れていたのなら……。私は、喜んでいたのかしら。それとも……)
真紅の瞳から生気が失われたことに、気づいたからか。
エクリーユの胸元で大人しくしていた黒猫が、美しく咲き乱れる花々に視線を移そうと試みる。
しかし、もぞもぞと腕の中で四肢が這い回る感覚を受けて我に返ったのだろう。
少女は獣の喉元を指先でころころと転がし、意識を自分のほうへ向けた。
「なぁん?」
「見ては駄目よ。あなたの目が、穢れてしまうわ」
「にゃあ……」
小動物は「どこにでも咲いてる花だよ?」と納得がいかない様子で鳴き声を上げていたが、エクリーユの様子がおかしいことに気づいていたからか。尻尾を左右に振り、大人しくなった。
(今まで、窓の外を見る余裕もなかったから……気づけなかった……)
忌々しい花がいつでも視界に入る場所で咲いていると気づいていれば、ここで大人しくなどしていられなかった。
少女は黒猫を抱きしめる力を強め、今にも泣き出してしまいそうなほどに真紅の瞳を潤ませる。
花壇の中で美しく咲き誇る白百合は、嫌でも妹の姿を想起させてしまう。
(もしもあの場所に、黒百合の花が咲き乱れていたのなら……。私は、喜んでいたのかしら。それとも……)
真紅の瞳から生気が失われたことに、気づいたからか。
エクリーユの胸元で大人しくしていた黒猫が、美しく咲き乱れる花々に視線を移そうと試みる。
しかし、もぞもぞと腕の中で四肢が這い回る感覚を受けて我に返ったのだろう。
少女は獣の喉元を指先でころころと転がし、意識を自分のほうへ向けた。
「なぁん?」
「見ては駄目よ。あなたの目が、穢れてしまうわ」
「にゃあ……」
小動物は「どこにでも咲いてる花だよ?」と納得がいかない様子で鳴き声を上げていたが、エクリーユの様子がおかしいことに気づいていたからか。尻尾を左右に振り、大人しくなった。
(今まで、窓の外を見る余裕もなかったから……気づけなかった……)
忌々しい花がいつでも視界に入る場所で咲いていると気づいていれば、ここで大人しくなどしていられなかった。
少女は黒猫を抱きしめる力を強め、今にも泣き出してしまいそうなほどに真紅の瞳を潤ませる。