虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
5・枯れる白百合、咲き誇る黒百合
「四六時中カーテンを締め切り、部屋に閉じ籠もっているそうだな」

 乳母からどれほど諭されたとしても聞く耳を持たず、1日中己の異能を使って部屋を明るく照らし続けた結果――テラマの救援要請を受けたリドディエが、呆れたような口ぶりとともに顔を出す。

「リドディエ様……」

 ひと月ぶりに姿を見せた彼は紫の瞳を不愉快そうに顰めながら「一体何が不満なのか」と視線で訴えかけてきた。

「何があったか、教えてくれ」

 彼は寝台の縁に腰を下ろしたエクリーユの隣にどっしりと座ると、当然のように少女の腰に逞しい腕を回す。
 こてりと勢いよく引き寄せられた第2王女は、驚きで目を見開きながらもその心地よさに酔い痴れた。

(最悪の場合は、陛下との信頼関係が崩れてしまう……。その覚悟は、事前にきっちりとしておかなければ……)

 これが最後の触れ合いになるかもしれない。
 リドディエ以外に頼れる人がいない第2王女は、彼の機嫌を損ねた瞬間、行く宛もなく彷徨う羽目にもなりかねないのだから……。
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