虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「テラマから、話は聞かせてもらったわ」

「何を」

「あなたが、どんな人なのか」

「僕に直接、聞けばよかっただろう」

「面と向かって問いかけるのは、なんだか気恥ずかしくて……」

 そんな勇気はないとばかりに視線を逸らせば、紫色の瞳がこちらを批難するように射抜く。

(怒っているのかしら……?)

 エクリーユは一瞬だけ身構えたが、すぐさま肩の力を抜いた。
 目元が優しく和らいでいることに、気づいたからだ。

「言っただろう。なんでも叶えると。どんな答えづらい質問も、拒まず回答する」

「本当に?」

「ああ。君に隠しごとをするつもりはない」

「なら……」

 はっきりとした口調で断言されたエクリーユは、ある疑問を白黒はっきりさせると決めた。

「兄様のこと、嫌いって本当?」

「そうだな。全員、思うところがある」

 思ってもみない答えが返って来たことに、少女は驚いた。

(はっきりと名前を出せばよかったかしら……)

 エクリーユはなんとも言えない気持ちでいっぱいになりながら、兄たち全員のことが嫌いなのかと聞きたかったわけではないと訂正を試みる。
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