虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「私が聞きたいのは……」
「大した剣の実力もないくせに威張り倒し、君に剣の切っ先を向けた第一王子は、騎士の風上にもおけない」

 しかし、己が質問の内容を変えるよりも彼が答えを口にするほうが早かった。

「第2王子は王太子の腰巾着……」

 リドディエがせっかく、淡々と兄たちの印象を上から順番に語ってくれているのだ。
 この状況で口を挟むわけにはいかず、静かに話を聞き続ける。

「第3王子は、破壊衝動を抑えられぬ獣」

 フォセティの話題が出てくるだけで、身体のあちこちに刻み込まれた古傷が痛む。

(いよいよ、このあとはお兄様の番だわ……)

 エクリーユは己の身体を抱きしめながら、静かにその時を待つ。
 しかし――。

「第5王子は、自己主張すらも出来ず、兄たちの言いなりになっている使いっ走り。少しでも自分の意思を貫けるようになれば、好ましい存在になるのだが……」

 彼の口から語られたのは、あとに生まれたイトゥクの印象だった。
 すぐ上の兄に対しては、エクリーユも思うところがある。

 引っ込み思案で自分が傷つくことを何よりも恐れている5男は、家族の中でムガルバイトの次に無害な存在であったからだ。
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