虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
(ずっと釣り合わないと感じていたけれど、案外私たちは似た者同士なのかもしれないわね……)

 そう思えた時点で、大きな一歩だ。
 少女は真紅の瞳を優しく和らげると、話題を変えた。

「リドディエ様の人となりを理解したら、今度はこの国に興味が湧いてきたの」

「それは、いい傾向だな」

「陛下と一緒に見て回りたい。そう願うのは、わがままかしら……?」

「いや。俺も君と、同じ気持ちだ」

 リドディエは寝台の上から立ち上がると、エクリーユの前に膝まずく。目を丸くする第2王女を見上げた彼は、優しく口元を綻ばせて己の指先を差し出した。

「お手をどうぞ、姫」

「まぁ……。エスコートしてくださるの?」

「ああ。君は僕の、大切な婚約者だからな」

「至れり尽くせりね」

 婚約者になることを同意した覚えはないが、彼が嫌いなわけではなかった。
 だからこそ、エクリーユも嫌悪感をいだかずにその差し出された指先に触れる。

「よろしくお願いします」

「ああ。最高のデートにしよう」

 こうして手を取り合った2人は、寝室を出て歩き出した。
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