虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
『私のほうがあとから生まれたのに、先に生まれた姉様が無能と呼ばれているなんて……。本当にかわいそう!』

 彼女はエクリーユに同情しながら、長女と協力して散々自分をいたぶった。
 肉体的な被害はフォセティ、精神的な攻撃はリシーロが中心となり、散々煮え湯を飲まされてきたのだ。

「あなただけは、生かしておけない……!」

 彼女へ復讐をする、絶好の機会。
 それを逃すわけにはいかなかった。

「あ、あたしは! あんたが無能だって言うから、痛めつけてやっただけ! ちゃんと異能を発現出来ていたら、姉様のように慕ってあげたのに……!」

 彼女はこちらに責任転嫁をしながら、恐怖と怒りが入り混じった表情で自分を見ている。

(その姿が、ずっと見たかった……)

 エクリーユは興奮を隠しきれない様子で、嗜虐的な笑みを浮かべた。

(もっと苦しみ、絶望しなさい。私の受けた痛みや悲しみは、この程度の怯えをいだいた程度では足下にも及ばないわ……!)

 己の身に纏わりつく炎の勢いが、さらに増す。
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