虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「君は、動きやすい服装のドレスがほしいと言っていたな」

「ええ。そうよ」

「膝丈の和装は、ピッタリなのではないだろうか」

「言われて見れば……」

 第2王女は店員と国王から距離を取り、外に繋がる扉の前でぴょんっと飛び跳ねる。
 フリルがふんだんにあしらわれたスカートは重さを感じるものの、踝丈のドレスよりは動きやすい。

(夜着に比べれば、布地もしっかりしているし……)

 恐らく、この衣服であれば使用人たちに見られても驚かれることはないだろう。
 エクリーユが小さな身体をくるりと回転させて動きやすさを確認していれば、満足そうに目元を和らげたリドディエと目が合った。

「何よりも、遠くからでもエクリーユを見つけられるのがいい」

「王城では、私しか着ないから?」

「ああ」

「陛下の婚約者様が好んで着用なされていると噂が回れば、我が店も景気がよくなって助かるのですけれど」

「国民たちが押し寄せてきても、1人で裁けるのか?」

「人気者になりすぎるのも、大変ですわね」

 一瞬叶わぬ願望をいだいた女性店主は、すぐさま陛下の指摘を受けて考え直したようだ。
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