虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「君は本当に、愛らしいな……」

「リドディエ様が優しい瞳で、私を見守ってくださるから……。うちに秘めたる魅力が、引き出されたのかもしれないわ」

「無条件に曝け出されなくて、本当によかった。エクリーユが可憐で麗しい白百合であることは、僕だけが知っていればいい……」

 エクリーユは婚約者の口から大嫌いな単語が飛び出してきたことに気づき、固まった。
 先程まで恍惚とした表情をしていたのに、表情が曇ったのだ。
 当然彼も変化に気づき、こちらを窺う。

「どうした」

「何も……」

「君の願いは、どんな無理難題でも叶えると言ったはずだが」

 望みを促されてしまえば、伝えぬわけにもいかない。
 エクリーユはどこか寂しそうに真紅の瞳を和らげ、ぽつりと呟いた。

「では、このまま予定通り、この国を見て回りたいわ……」

 エクリーユの願いを聞いたリドディエは、拍子抜けしたように問いかける。
< 133 / 246 >

この作品をシェア

pagetop