虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「そんな些細なことで、構わないのか」

「最初から、その予定だったでしょう?」

 この場で「あなたが白百合の話をする度に、腸が煮えくり返って仕方がないのよ」と憎悪を迸らせたところで、彼が不快な思いをするだけだ。

(私だけが、少し我慢をすればいいだけ……)

 エクリーユは作り笑顔を浮かべたあと、彼の腕にしがみつく。
 リドディエはしばらく何かを言いたそうにこちらをじっと見つめているが、結局望み通りの言葉を引き出すことは諦めたようだ。

「わかった。行こう」

「はい」

 こうして2人は、再び散策を続けた。
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