虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
(リドディエ様だったら、きっと……)
覚悟を決めた少女は陛下の腕に纏わりつくのを止めると、一定の距離を取ったあと両手を広げた。
「陛下はこの光景を、美しいと思うかしら?」
彼はエクリーユを、白百合の花だと称した。
だから、この答えは陛下が声を発する前から決まり切っている。
「ああ」
それでも問いかけたのは――本題に入るために、必要だったからだ。
(落ち着いて。平常心を心がけるのよ……)
エクリーユは浅い深呼吸を繰り返したあと、苦しい胸の内を語り始めた。
「私、白百合って大嫌いなの」
「なぜか、聞いても?」
「妹を思い出すから……」
リドディエはリシーロの名を口にせずとも、察するものがあったらしい。
どうでもよさそうに、妹の異名を呟く。
「ああ……。白百合の君、だったか……」
「そうよ。穢れを知らぬ可憐な花。それがあの子の異名。姉を敬うどころか危害を加えてくるような、性悪女のくせに……。ふふ。姿を思い浮かべるだけでも、笑ってしまうわね」
婚約者が自虐的な笑みを浮かべれば、彼もまた声を弾ませながら同意する。
覚悟を決めた少女は陛下の腕に纏わりつくのを止めると、一定の距離を取ったあと両手を広げた。
「陛下はこの光景を、美しいと思うかしら?」
彼はエクリーユを、白百合の花だと称した。
だから、この答えは陛下が声を発する前から決まり切っている。
「ああ」
それでも問いかけたのは――本題に入るために、必要だったからだ。
(落ち着いて。平常心を心がけるのよ……)
エクリーユは浅い深呼吸を繰り返したあと、苦しい胸の内を語り始めた。
「私、白百合って大嫌いなの」
「なぜか、聞いても?」
「妹を思い出すから……」
リドディエはリシーロの名を口にせずとも、察するものがあったらしい。
どうでもよさそうに、妹の異名を呟く。
「ああ……。白百合の君、だったか……」
「そうよ。穢れを知らぬ可憐な花。それがあの子の異名。姉を敬うどころか危害を加えてくるような、性悪女のくせに……。ふふ。姿を思い浮かべるだけでも、笑ってしまうわね」
婚約者が自虐的な笑みを浮かべれば、彼もまた声を弾ませながら同意する。