虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「ただここで、一生懸命咲いているだけの花を散らす私は、誰が見ても醜い心の持ち主ね」

「そんなことはない。君は今までずっと、誰かから傷つけられてきた。人を害するよりは、ずっといい」

「いいえ。庇わなくたっていいのよ。ちゃんと、わかっているから。家族を傷つけて、なんの罪もない花々を灰に変えた。これでは、忌み嫌うあいつらと変わらない……」

 エクリーユは己が醜く恐ろしい存在であることを、自覚していた。

「私はリドディエ様の婚約者には、ふさわしくないの」

 だからこそ、身を引こうとしたのだが――少女を愛する彼が、それを許すはずがなかった。

「僕は君を、一生養うと決めた。どれほど身を引こうとしたところで、受け入れるつもりはない」

「リドディエ様……」

 彼は最愛の婚約者を抱きしめる力を強めると、素直な気持ちを吐露する。
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