虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
母国の状況 (リシーロ)
アティール王国の第2王女であるエクリーユ・アベティーラは、異能を発現できない無能のはずだった。
そんな彼女が細い身体に炎を纏わせ、王族を順番に痛めつけたのだ。家族は全員震え上がり、殺されるかもしれないと怯えた。
(姉様に命を奪われるなんて、冗談じゃないわ……!)
白百合の君と誉れ高い第3王女、リシーロ・アベティーラは、ちょうどいいところに隣国の国王とともに姿を見せた第4王子――ムガルバイトに助けを求める。
「兄様! エクリーユが……!」
その時に見せた無能の顔は、傑作だった。
憎悪の籠もった視線と絶望でいっぱいな表情は、何度目にしても心がスカッとする。
(ふふ。いい気味。わたしの大好きなお兄様を奪おうとしなければ、苦しまなくて済んだのにね?)
あとはムガルバイトが、彼女を完膚なきまでに叩きのめし――この場を納めれば、それで済むはずだった。
なのに――その直後、リシーロが想像もしなかった出来事が起きる。
「エクリーユ……!」
隣国の王であるリドディエが、転移魔法を使って姉を連れ去ったのだ。
ムガルバイトが伸ばした指先は、彼女に届くことなく虚空を掴む。
そんな彼女が細い身体に炎を纏わせ、王族を順番に痛めつけたのだ。家族は全員震え上がり、殺されるかもしれないと怯えた。
(姉様に命を奪われるなんて、冗談じゃないわ……!)
白百合の君と誉れ高い第3王女、リシーロ・アベティーラは、ちょうどいいところに隣国の国王とともに姿を見せた第4王子――ムガルバイトに助けを求める。
「兄様! エクリーユが……!」
その時に見せた無能の顔は、傑作だった。
憎悪の籠もった視線と絶望でいっぱいな表情は、何度目にしても心がスカッとする。
(ふふ。いい気味。わたしの大好きなお兄様を奪おうとしなければ、苦しまなくて済んだのにね?)
あとはムガルバイトが、彼女を完膚なきまでに叩きのめし――この場を納めれば、それで済むはずだった。
なのに――その直後、リシーロが想像もしなかった出来事が起きる。
「エクリーユ……!」
隣国の王であるリドディエが、転移魔法を使って姉を連れ去ったのだ。
ムガルバイトが伸ばした指先は、彼女に届くことなく虚空を掴む。