虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「君はムガルバイトの出自を知らないから、そんな事が言えるんだ!」

「知ってるわよ?」

 姉と同じように純粋無垢な存在だと思われては困る。
 少女は満面の笑みを浮かべ、はっきりとした口調で第4王子の秘密を暴露した。

「兄さんって、わたしたちの本当の兄妹じゃないんでしょう?」

「い、一体どこで……!」

「それは秘密。わたし、ムガルバイト兄さんが大好きなの。父さんはしばらく人前に出られないし、これからはわたしたちがこの国を治めるね!」

「そんなの、許せるわけが……!」

 リシーロは騒ぎ立てる長男を黙らせるため、己の異能を発動させた。
 少女の背中からは勢いよく植物の枝葉が飛び出て、ワンスの四肢を拘束する。

「くそ……っ。リシーロ! 離せ!」

「野蛮な兄さんは、ちょっと気を抜くと襲いかかってくるから怖いわ。みんなまとめて、地下牢にぶち込まなくちゃ」

 リシーロはドレスの裾に隠したホルスターの中から、異能制御装置を取り出す。

(人数分用意しておいて、本当によかった!)

 少女は罵詈雑言を繰り返す兄たちを無効化するべく、イトゥクに命じた。
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