虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「イトゥク兄さん。あなたが異能を無効化させるのよ」

「ぼ、僕、が……?」

「ええ! まさか、拒否なんてしないよね?」

「で、でも……」

 今まで自分に命令してきた兄たちを拘束しろと、妹に命じられたのだ。
 第5王子は目を白黒させて迷う素振りを見せたが、拒絶なんて許すはずがない。

「それとも、ほかの兄さんたちと一緒に異能を使えなくされたい?」

「う、う……」

 イトゥクはガタガタと全身を震わせながら、渋々妹の小さな手から異能制御装置を鷲掴む。
 その後、リシーロの操る植物に囚われた兄たちへ順番にそれをつけた。

「イトゥク! 貴様……!」

「覚えてろよ! こんなことして、五体満足で行き続けられると思うな……!」

「ひぃい……っ」

 家族の罵詈雑言を一心に受ける第四王子の姿を目にしたリシーロは、最愛の兄とともにその光景を冷めた目で見つめている。

(イトゥク兄様に言うことを聞かせるなら、暴力で訴えかけるよりも身の安全を保証するほうが有効なのに……。それに気づいていない時点で、小物よね)

 ムガルバイトは、傷ついた家族たちが地下牢へ連行される姿を見ても何も言わない。
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