虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
(わたしの行い、お気に召さなかったのかな……?)

 リシーロは最愛の兄とこれからの話をするべく、彼を見上げて問いかけた。

「邪魔な人間は、牢屋にぶち込んでおいたわ! あとは兄さんが、王座につくだけね!」

「どうして君は、俺を王にしたいんだ……?」

「だって兄さんは、何もかもを持っているじゃない!」

 優しくて、容姿が整っていて、何をやらせても卒なくこなす。国民たちからの評判も上々で、誰よりも己の伴侶に相応しい存在。
 それが、リシーロから見たムガルバイトという男だった。

「俺は王座になんて、ふさわしくないよ」

「王族の中で誰が一番玉座に適しているのか。国民に聞いて答えを出さなきゃ、兄さんはあそこに腰を下ろしてくれないの?」

「王になんて、なりたくないんだけどなぁ……」

 第4王子と呼ばれる資格がないのにそう名乗ることを許された彼は、この一世一代のチャンスを前にしても随分と消極的だ。
 リシーロはムガルバイトを批難するように声を荒らげる。
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