虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「どうして? 王様になれば、なんでも手に入るのに!」

「俺の、欲しいものが……?」

「わたしを婚約者にしてくれたら、協力するわ! 兄さんの願いを、叶えてあげる!」

「それは、本当かい?」

「もちろん! だってわたし、兄様を愛しているもの!」

 奇しくもその作戦は、項を成した。
 彼にはどうやら、叶えたい願いがあるらしい。
 妹のぶら下げた餌に食いついた兄は、ついに重い腰を上げた。

「わかった。いいよ。今日から俺が、この国の王だ」

「まぁ、素敵! 兄さんが覚悟を決めてくれて、とっても嬉しい!」

 彼は妹と腕を組んだままカツコツと軽快な靴音を響かせたあと、玉座に腰を下ろす。
 その光景を目にした第3王女は、自分の思い通りに事がうまく進んでいると喜んだ。

「わたしも今日からは、妹じゃなくて婚約者になるんだもの! たくさん、愛してね?」

 リシーロはようやく最愛が手に入ったと満足そうな笑みを浮かべ、ムガルバイトの首筋に抱きつく。
 そんな兄妹の姿を、青ざめた表情で見つめる少年がいた。
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