虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「聞いたか? アティール王国の話」
「ああ。なんでも、大規模なクーデターが起こったんだろ?」
「そうそう。まさか、新しい国王が、妹を婚約者にすると宣言するなんて……」
だが――震える指先が窓の開閉を終えるよりも早く、噂話はエクリーユの耳まで聞こえてきてしまう。
「しかも、王太子じゃないんだよな」
「そう。アティール王国の国民が、ずっと王になって欲しいと打診していた第4王子が玉座につき、第3王女と婚約を結ぶと言ったんだ」
「より濃い血を持つ子を成すためにってことか? イカれてるなぁ」
ムガルバイトが王になって、忌々しい妹が彼の婚約者になった。
それは奇しくも、かつて自身が愛した人と殺したいほどに憎んだ人で――。
「え……?」
「なぁん」
エクリーユが驚きの声を上げた直後、猫の鳴き声が聞こえた。
こちらの異変を悟り、心配してくれたのだろう。
「なぁ、あれって……」
「陛下の黒猫と、アティール王国の第2王女様……」
「やべっ!」
「おいおい、冗談だろ!?」
少女はガタンと勢いよく窓を閉じたが、恐ろしい噂話を口々に囁き合う男性たちが焦る声を防ぐことはできなかった。
「ああ。なんでも、大規模なクーデターが起こったんだろ?」
「そうそう。まさか、新しい国王が、妹を婚約者にすると宣言するなんて……」
だが――震える指先が窓の開閉を終えるよりも早く、噂話はエクリーユの耳まで聞こえてきてしまう。
「しかも、王太子じゃないんだよな」
「そう。アティール王国の国民が、ずっと王になって欲しいと打診していた第4王子が玉座につき、第3王女と婚約を結ぶと言ったんだ」
「より濃い血を持つ子を成すためにってことか? イカれてるなぁ」
ムガルバイトが王になって、忌々しい妹が彼の婚約者になった。
それは奇しくも、かつて自身が愛した人と殺したいほどに憎んだ人で――。
「え……?」
「なぁん」
エクリーユが驚きの声を上げた直後、猫の鳴き声が聞こえた。
こちらの異変を悟り、心配してくれたのだろう。
「なぁ、あれって……」
「陛下の黒猫と、アティール王国の第2王女様……」
「やべっ!」
「おいおい、冗談だろ!?」
少女はガタンと勢いよく窓を閉じたが、恐ろしい噂話を口々に囁き合う男性たちが焦る声を防ぐことはできなかった。