虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「あのたちが、いないところで生きたい……。やっと、離れられたのに……。こんなふうに傷つく私は、大嫌い……!」

 自己嫌悪に陥った少女は、そう言ったきり泣き崩れてしまう。
 第2王女にはもう、自害する気力すらも残されていなかった。

「君が現実から目を背けたいと願うなら、目と耳を塞いでやる」

 衰弱しきった婚約者の姿を目にしたリドディエは、真っ先に少女の両目を大きな手で塞いだ。

「あの国の話が二度と君の耳に入らないよう、国民たちに徹底しよう」

 その手が己の耳に触れる前に、少女は左右に首を振る。
 その後、切羽詰まったように声を荒らげた。

「違うの……っ。私は、リドディエ様や国民たちに迷惑をかけたいわけじゃ……!」

「これくらいは、させてくれ」

 彼の好意を拒む第2王女に、リドディエは優しく口元を綻ばせて告げる。

「あんな奴らを思って泣くなど、もったいない……」

 彼は頬を伝ってこぼれ落ちた涙を唇で掬い取ったあと、心配そうに眉を顰めた。
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