虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
(そんな顔をさせたくなかったから、消えようと思ったのに……)

 エクリーユの行動は、いつだって中途半端だ。
 ある程度のところまではうまくいったとしても、詰めが甘くて計画を完遂しきれない。
 少女は反省した様子で、悲しげに目を伏せた。

「ごめんなさい……」

「それは、何に対しての謝罪だ」

「私はいつも、陛下を苦しめているでしょう……?」

「僕が不快感をいだいているのは、君ではなく……。エクリーユを悲しませた、あいつらに対してだ」

 彼は自分が謝罪をする必要はないのだと語ると、自国の王族に対する恨みを募らせる。

「あの国は誰が治めたとしても、いずれ滅びる。それが、早いか遅いかの違いでしかない」

 リドディエはその後、婚約者を安心させるように優しい笑みを浮かべると、少女に言って聞かせた。

「大丈夫だ。僕は、苦しむ君のそばに寄り添う。たとえ、どんな緊急事態が起きたとしても……」

「リドディエ、様……」

 第2王女は真紅の瞳を潤ませ、感極まった様子でぽつりと呟く。
 しかし――。

「私は、あなたを……」

 ――エクリーユの言葉は、最後まで声にならなかった。
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