虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「お兄様! 早く、エクリーユを止めて……!」
「だ、だけど……」

 心優しい兄は2人の妹を何度も見比べ、どっちつかずの反応を取り続けた。

 恐らく、片方の言い分だけで答えを導き出すのをよしとしていないからだろう。
 それが彼らしいと思いながらも、悲しいと思うのは――。

「お兄様は弱い私の味方にしか、なってくださらないのですね……」

 そのことに気づいて、失望したからだった。

(お兄様なら、どんな状況でも私の味方になってくれるって……。あんなに酷い目に遭わされていたのなら、復讐するのは当然だって、受け入れてくれてくれるはずだと信じていた私が……馬鹿みたい……)

 こんなことになると最初からわかっていたら、復讐なんてしなかった。
 裏切られると想像出来ていたら、彼を信じなかった。
 未来予知が使えれば、きちんと想定できていれば――後悔ばかりがエクリーユの脳内を支配する。

(これはきっと、罰なんだわ……)

 痛みを感じたくないと思っていたなら、弱い人間のままでいればよかったのだ。
 すべては少女の、判断ミスが招いた悲劇だった。
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