虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
(勢い余って、やり返したりなんてしたから……)
エクリーユは異能を使えるようになったが、炎を操ることしかできない。
その事実を消し去れず、被害者で居続けられなくなったエクリーユの取る行動は、1つしかなかった。
「さよなら、お兄様」
真紅の瞳からは、大粒の涙が頬を伝って零れ落ちる。
この頃になると、ムガルバイトだけは守りたいという気持ちすら消えていた。
「さよなら。大嫌いなリシーロ」
復讐が失敗した以上――エクリーユが生き続ける理由はない。
こうなることを見越していた少女は大好きだった兄と大嫌いな妹に別れを告げると、両目を瞑って祈りを捧げるように両手を絡めた。
「生きているだけで、みんなに迷惑にかけてしまうのなら……。お望み通り、消えてあげる……!」
発現したばかりの異能は、まるで幼い頃から自分のものであったかのようにきちんと言うことを聞いてくれた。
他者に対する怒りを燃え盛る炎に変換するのを止め、己の無力さを異能に変化させれば、自らの命を燃やし尽くすことは不可能ではないはずだ。
エクリーユは異能を使えるようになったが、炎を操ることしかできない。
その事実を消し去れず、被害者で居続けられなくなったエクリーユの取る行動は、1つしかなかった。
「さよなら、お兄様」
真紅の瞳からは、大粒の涙が頬を伝って零れ落ちる。
この頃になると、ムガルバイトだけは守りたいという気持ちすら消えていた。
「さよなら。大嫌いなリシーロ」
復讐が失敗した以上――エクリーユが生き続ける理由はない。
こうなることを見越していた少女は大好きだった兄と大嫌いな妹に別れを告げると、両目を瞑って祈りを捧げるように両手を絡めた。
「生きているだけで、みんなに迷惑にかけてしまうのなら……。お望み通り、消えてあげる……!」
発現したばかりの異能は、まるで幼い頃から自分のものであったかのようにきちんと言うことを聞いてくれた。
他者に対する怒りを燃え盛る炎に変換するのを止め、己の無力さを異能に変化させれば、自らの命を燃やし尽くすことは不可能ではないはずだ。