虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「何を言っているの?」
「え……?」

「あなたが私と兄様の仲を、引き裂いたのでしょう?」

 まさかそんなことを言われるなど、思いもしなかった。
 そんな愕然とした表情で絶句する今が好機だ。
 エクリーユは畳みかけるように、吐き捨てた。

「他人の物を奪う趣味はないわ」

 姉から軽蔑の眼差しを受けた妹が、黙っていられるはずがない。
 彼女は信じられない気持ちでいっぱいになりながら、声を震わせた。

「な、なんで……? 大好きで大切な兄と自分の妹が、いつの間にか恋仲になってたんだよ? もっと疑問を感じ、嫉妬するのが普通でしょ!?」

「残念だけれど、私は普通がよくわからないの。ごめんなさいね?」

「謝って済むような問題じゃ……!」

「あなたたちが、私から普通を学ぶ権利を奪ったのよ」

 どれほど言葉を重ねても、エクリーユはリシーロの思い通りに行動するつもりなどなかった。
 今までが、異常だったのだ。
 それをわからせるために、姉は妹に厳しい発言をし続ける。
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